2008年2月9日土曜日

レビューなど書いてみた

映画「クラッシュ」(2006アメリカ)




本当の”人間ドラマ”ってかんじだった。

舞台はアメリカのロスで、白人・黒人の問題だけでなく、まさにその名のとおり”人種のるつぼ”。ゆえに起きる偏見、差別、怒り、悲しみ…でもそっから誰かを救いだせるのも同じ人間なわけで…てかんじの。人間の汚さも、美しさもよく描かれててすごくよかった。悲しいシーンが多くてリアルだったけど、救いの描写で、見てるこっちもほんと救われた気分になった。
それぞれの俳優の顔が醜く見えたり、ヒーローに見えたりするところがよかったです。特にマット・ディロン。笑 ライアン・フィリップも。最後リュダクリスが愛らしく見えました。笑

人種差別と、もうひとつ大きなテーマとして「銃社会」。この映画を見て考えさせられたことは、「隣人が銃を持ってる“かもしれない”ことへの怯え」が引き金をひく理由になること。すごく悲しい。

映画ではアメリカ国内の人種に基づいた差別や偏見が題材だったけど、噛み砕いたらこの映画のテーマはどこだって、単一民族国家でだって同じように存在すると思った。日本でだってそうだ。人は人をステレオタイプで疑ってかかるし、疑心暗鬼もする。日本だと他人同士が大声で「このクソ●●県民がー!!」とか出自でののしり合うことは比較的少ないんだろうと思うけど。笑 誰かに傷つけられて、その怒りをまた別の誰かにぶつけて傷つけたりする。誰かの良心に救われて、自分も他人に良い事をしようとする。

生きるってこういう事の繰り返しだろうなー
冒頭で「誰かと衝突したくなって街を歩く」っていう台詞があったけど、見終わった今まさにそんな気分。人との触れ合いが恋しくなる。


PS. いま他の人のレビューを見て「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本の人だと知りました。なるほど。あっちより「クラッシュ」のほうが少し楽な気持ちで見れるかな。「ミリオン」はもっとパーソナルに2人にスポットあてて描いてたじゃないですか。もう…見た直後は2人の悲しい運命にうちひしがれてベッドから起き上がれないくらいでした。笑

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